JDMAの基本方針と各コミッティ(専門委員会)の方針と活動概況(2022年2月26日理事会報告)
デザインマネジメントの実践
難波 治(コーポレートデザイン担当理事)
リージョナルデザイン(フィンランド連携原方刺子)
角井みどり(JDMA特別会員)
一般社団法人 日本デザインマネジメント協会の理念、体制、ロードマップ
一般社団法人 日本デザインマネジメント協会(Japan Design Management Association:JDMA)はデザイン/アートが本質的な社会的価値を創造するリソースと考えています。それは社会、産業、生活を横断的に捉え、それらの関係性から課題を抽出し、問題点を解決する創造力の源とも言えます。デザインマネジメント協会は下記に示す、5つの専門委員会(コミッティ)を組織し、関係するそれぞれの分野にコミットし、具体的は方策を示し提案を行なっていきます。そのための調査研究を行い、関係諸機関と連携し、実践的な活動を行なっていきます。また当協会ではソーシャルデザイン活動(広く社会/産業/文化/地域に目を向けるデザイン)を基軸にデザインマネジメントを専門とする人材の育成に努めていきます。
デザインマネジメントの5つのフェーズ
日本デザインマネジメント協会はこれからのデザインマネジメントの在り方と活動について5つのフェーズで考えています。それは1.ソーシャルデザイン 2.リージョナルデザイン 3.ライフデザイン 4.コーポレートデザイン 5.創造性教育の5つのフェーズです。これまでデザインマネジメントは「コーポレートデザイン」の視点から経営、技術、生産、流通、消費と生活文化のサイクルの中でデザインの理論と実践を展開し、発展してきました。この基軸は今後とも変わらないのですが、今日、デザインに求められる役割や実践と研究は社会的側面(Society)、地域的側面(Region)、生活的側面(Life)、経営的側面(Corporation)、創造的側面(Creation)に向けられています。これらのことは同時に企業活動や研究開発、教育に求められていることでもあります。またSDGs
「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」も現実的な課題として社会や地域、企業、教育にその実践が求められています。日本デザインマネジメント協会(JDMA)はこれらの課題に対し実践、研究は基より、社会連携や国際連携を通して包括的な活動を展開していきます。
*SDGsは2015年9月の国連サミットで採択されたもので、国連加盟193か国が2016年から2030年の15年間で達成するために掲げた17の目標です。
*SDGsは2015年9月の国連サミットで採択されたもので、国連加盟193か国が2016年から2030年の15年間で達成するために掲げた17の目標です。
ソーシャルデザイン
ソーシャルデザインは社会的な共有価値をどのようにつくって行けばよいのかを構想し、具体的に地域やコミュニティ、企業、個人の活動に結びつけて行く活動と捉えることができます。その活動の広がりと意義は大きく、デザインによるインテグレーション機能(分野間や異業種間をデザインで結びつける機能)や情報発信はますます求められています。
リージョナルデザイン
地域やコミュニティをどのように再生するのか日本の大きな課題となっています。地域やコミュニティはその歴史やその土地、人々に根ざした固有の価値や文化を有しています。これらを継承、発展させていくことが地域やコミュニティの再生の重要な視点です。
ライフデザイン
『ライフデザイン』は、生き甲斐のある人生を歩むために、人生計画を立てる活動です。人生100年時代と言われる今日、生産年齢という視点からのみ人生観やライフスタイルを考えていくことは、もはやこれからの時代にそぐわなくなってきています。日本社会の大きなトレンド:デジタル革命・超高齢化・少子化などは、今後ますます進展していきます。このような不確実で不安に満ちた時代に、「夢を描き・仮説を立て・トライ&エラーを重ねながら、自分なりの人生を歩んで行く」というデザイン志向の人生計画は、あなたの未来を豊かに開くことでしょう。
コーポレートデザイン
企業経営とデザインは今日ますますその関係を強めています。また、企業という組織ばかりでなく、様々な組織経営(行政機関や第三セクター、社会福祉法人など)においてデザインのコミットを強めています。また、サービスデザインやUXデザイン(User Experience Dsign:経験価値を高めるデザイン)など新たなデザイン分野をどのように企業経営やR&Dに結び付けていくかもデザインマネジメントの役割として重要なものとなっています。
創造性教育
教育は社会、産業、生活の発展の観点から制度化され、今日の教育環境を形成しています。昨今、「創造性=独創性と有用性」は、アートやデザインの分野だけでなく、経営、技術、生産、流通、消費、社会や生活文化においても非常に重要な役割を果たしています。 JDMAは、本質的な社会的価値創造のため、創造性を活性化させる活動をしており、日本の未来を考える上では、創造性教育の推進は欠かせないと考えています。そして、次世代“創造人”の育成のため、従来の教育の枠組みを超えた取り組みを進めています。